今週末に結婚１０周年を迎えるのだが、私の結婚は当初父親、親戚には歓迎されなかった。
歓迎されなかった理由は、妻には右足に障害があって、日々の生活や自力で子育てができるか不安なので、妻の両親と同居するつもりだったためである。

　私の父方の叔母は特に強く反対した。叔母自身が車椅子に乗っていて身体障害者と生活を共にすることの大変さをわかっていて、わざわざ大学を卒業したての若い私が、そんな面倒を背負い込むことはないだろうと説得を試みてきた。

　私にとっては妻の足の障害は彼女の人格を構成する重要な一部であり、障害を否定することは妻を否定することだという認識だったので、叔母の説得には大いに腹を立てた。
結局、説得は全くの逆効果で、私は意地になってさっさと結婚の話を進めて、子供を作って、ヨメの実家に隣接する土地に自宅を購入した。
叔父叔母の子供たちは３０を過ぎて未婚だったので、２０代のうちに以上のことをやり遂げた私は、反対した叔母を見返してやった気になっていた。

　もし、結婚当時、反対されずに「一生のことなんだし、焦る必要もないのだからじっくり考えたら」と言われていたら、惚れっぽい自分のこと、じっくりと考えているうちに別の女の人に目が行って妻とは結婚までこぎつけなかったんじゃないか、という気がしている。